2009年12月28日月曜日
藤沢・野宿の仲間のクリスマス会 報告
クリスマスも過ぎてしまい、大変遅くなりましたが、野宿の仲間のクリスマス会の報告をしたいと思います。
12月8日(火)に藤沢カトリック教会で野宿の仲間のクリスマス会を開催しました。
イルミネーションがまたたき、クリスマスキャロルが鳴り響くと、どういうわけだが、イエスが共に生きたであろう、一番しんどい仲間たちが、居場所を失います。
なので、一番しんどい仲間たち、野宿の仲間たちと共に祝うクリスマスこそが、クリスマスにはふさわしい。そんな会にこそ、イエスが片隅で微笑んでいてくれる会だろうということで、毎年12月の第2火曜日に野宿の仲間のクリスマス会を開催しています。
(毎月第2火曜日は野宿の仲間の座談会といって、意見交換・情報交換の会を行っています)
今年は野宿の仲間から「歌はないのか」というリクエストをいただき、シンガーソングライターの図師たまみさんに来てもらい、クリスマス会に花を添えてもらいました。
また、毎年恒例のビンゴゲームも行い、寝袋をはじめとするクリスマスプレゼントを持って帰ってもらいました。
ライブの方も大好評で、野宿の仲間のクリスマス会には元野宿生活者も参加していますが、先月まで野宿をしていた仲間が、生活保護でもらったお金から図師さんのCDを買っていたことからも、喜びの度合いが伺い知れます。
なかなか楽しいクリスマス会でしたが、イエスはどう思ってくれたでしょうか?(オリジン)
なお、写真は図師たまみさんと最後の記念写真です。
↓図師さんも自身のブログに野宿の仲間のクリスマス会の様子を書いていますので、ご参照ください。
第36次寿越冬闘争のスケジュール
昨年同様の連日1000食を超える炊き出しと、横浜市内各地の野宿生活への訪問、各種(医療・法律・生活・労働)の相談を行います。 みなさんの少しの時間でもいいので、ご協力していただければと思います。本当にみなさんの力が必要ですので、よろしくお願いします。
写真:越冬パトロール風景
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■第36次寿越冬闘争スケジュール■
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主催:第36次寿越冬闘争実行委員会
〈2009年12月26日~2010年1月7日〉
寿越冬闘争統一オリエンテーション・・・2009年12月13日(日) 午後2時~
集団生活保護申請…2009年12月14日(月) 午前8時 中区役所前集合
統一作業日・・・2009年12月23日(水・休) 午前9時~
第36次寿越冬闘争突入集会・・・2009年12月26日(土) 午後6時~7時
*会場は集団生活保護申請以外は寿生活館4階または2階です。
2009年12月24日~27日…準備作業(厨房作り・テント設営)
2009年12月28日(月)…年末年始対策窓口監視および生活保護申請同行(9時~)
[中福祉・福祉プラザ]
バザー(10時~)[寿公園]
2009年12月29日(火)…パトスープ作り(切り込み:午後3~)
各種相談(医療・法律・生活・労働) 集約会議(19時~)
パトロール(21時~)[寿・関内、横浜駅、桜木町]
2009年12月30日(水)…炊き出し(切り込み:9時~、配食:16時~)
各種相談(医療・法律・生活・労働) 集約会議(19時~)
パトロール(21時~)[寿・関内、横浜駅、鶴見]
2009年12月31日(木)…年越しソバ(切り込み:9時~、配食:15時~)
各種相談(医療・法律・生活・労働) 集約会議(19時~)
パトロール(21時~)[寿・関内、横浜駅、南区]
2010年1月1日(金)……餅つき(切り込み:9時~、配食:13時~)
芝居:さすらい姉妹(16時~)[寿生活館4階]
各種相談(医療・法律・生活・労働) 集約会議(19時~)
パトロール(21時~)[寿・関内、横浜駅、桜木町]
2010年1月2日(土)……炊き出し(切り込み:9時~、配食:16時~)
カラオケ大会(13時30分~15時30分)[寿生活館4階]
遠峰あこと爛漫社中(14時30分~15時)[寿公園]
各種相談(医療・法律・生活・労働) 集約会議(19時~)
パトロール(21時~)[寿・関内、横浜駅、市内公園]
2010年1月3日(日)……炊き出し(切り込み:9時~、配食:16時~)
囲碁・将棋大会(10時~15時)[寿生活館3階]
新春歌謡演芸会(13時~14時)[寿生活館4階]
各種相談(医療・法律・生活・労働) 集約会議(19時~)
パトロール(21時~)[寿・関内、横浜駅、桜木町]
2010年1月4日(月)……中福祉・集団生活保護申請(8時:寿公園集合)
アブレ金カンパ活動(12時30分~15時30分)集約会議(19時~)
2010年5~7日……片付け(厨房・テント解体)
2010年1月9日(土)……新春コンサート(14時~16時)[寿生活館4階]
*若干の変更の可能性があります。ご了承下さい。
[寿越冬闘争実行委員会 構成団体]
寿日雇労働者組合、寿医療班、寿支援者交流会、日本キリスト教団寿地区センター、
寿町音楽班、寿・関内夜回り仲間の会、反戦・反差別を闘う神奈川青年労働者共闘、
横浜水曜パトロールの会
[連絡先(事務局)]:
横浜市中区寿町3-12-2 寿生活館4階
寿越冬闘争実行委員会(事務局 高沢)
TEL&FAX:045-641-5599
メール:orijin@mvb.biglobe.ne.jp
なお、当日の連絡は事務局携帯090-2919-6635に連絡をお願いします。
2009年12月26日土曜日
年末年始における生活総合相談事業の実施
内容は以下の通りです。
(1)期 間:12月29日(火)から1月3日(日)までの間
(2)実施場所:カトリック藤沢教会内
具体的な内容としては、期間中午前10時~午後3時の間相談室を開設し、総合的な生活相談にのるとともに、藤沢教会の協力で必要な方々に食料の提供やシャワー・洗濯施設を開放するなど、実質的な生活支援も行います。
連絡先:090-4208-6334 (KK)
2009年12月14日月曜日
心がぽかぽかする会話
きずなに関わらせていただくようになって、早3ヶ月!あっという間でした。
もともと図々しい性格で、人見知りをしないので、
最初から遠慮なしの実習生でしたが、 12月からはスタッフに入れていただき、
心もキリっと?なっているところです。
まだまだ業務のイロハが分からない私・・・非常に足手まといなのですが、
シェルター利用者さんや野宿のメンバーとの何気ないやり取りに
励まされる日々です。 皆さんのお話に、内心は泣きそうになったり、
ドキドキしたり、自分の無力さを感じたり、 心が動いているのですが、
SW根性でなんとか頑張っています。
最近は、野宿メンバーに励まされてばっかり・・・。
皆さん、やさしいので、私が声をかける前に私のことを気遣って
「寒いから、風邪引かないようにね!」
「お疲れ様~!」
「この前はありがとうございます。」
と声をかけてくださいます。本当に心に栄養をもらって感謝、感謝です。
私も接する皆さんの心がぽかぽかするような会話がしたいなあと思います。
(Y.S)
2009年12月4日金曜日
藤沢・野宿の仲間のクリスマス会
この座談会は、2000年2月から行われているもので、今は亡き野宿の仲間の提案で始まりました。
「俺は藤沢駅周辺で野宿しているけど、市民会館の方にも野宿をしている人がいるっていうし、江ノ島や砂防林にも野宿する人がいるっていう話だ。どうにか、みんなで集まって情報交換ができないかな」という提案を実現するべく、座談会を行うことにしました。
気がつけば、座談会がはじまって、もうすぐ丸9年。クリスマス会も定番になりました。
一番しんどい仲間と共に生きた人の生誕を祝う日です。野宿の仲間と祝うクリスマスこそ、クリスマスにふさわしいと思います。きっと片隅でイエス様が微笑んでくれているような、そんなクリスマス会を行って生きたいと思います。
ご興味のある方は是非ご参加ください。 (オリ)
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■藤沢・野宿の仲間のクリスマス会■
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クリスマスキャロルが鳴り響き、イルミネーションが輝きだすと、野宿の仲
間たちは寝場所が奪われる事が多々あります。
一番しんどい人と共に生きた人の生誕を祝う行事が、小さくされた人々を疎
外するという非常に皮肉な現象が起きています。
そこで、藤沢火曜パトロールの会では、今年も野宿の仲間と共に祝うクリス
マス会を開催することにしました。野宿の仲間と直接話しをするよい機会です
ので、興味のある方は是非ご参加ください。
*毎月第二火曜日は野宿の仲間の座談会として意見交換の場をを開催してい
ますが、12月は特別バージョンでクリスマス会です。
*ビンゴゲームや図師たまみさんのミニライブが予定されています。
(クリスマスプレゼントも用意しますが、数に限りがあるので、野宿の仲間を優先でお願いします)
【日時】2009年12月8日(火) 19時~
【場所】藤沢カトリック教会・ホール
(藤沢駅南口下車徒歩3分、江ノ電ビル裏、藤沢市鵠沼石上1-1-17)
【主催】藤沢火曜パトロールの会
【協力】NPO法人湘南ライフサポート・きずな 、寿支援者交流会
【連絡先】 orijin@mvb.biglobe.ne.jp (事務局・高沢)
図師たまみさんについては下記のHPをご参照ください。
http://tamami.fan-site.net/
公開講座
本当は事前に告知したかったのですが、バタバタしていて事後報告になってしまいました。
↓下記のような講座でした。
相模原木曜パトロールの会の代表の藤谷さんと一緒に行ってきました。藤谷さんの娘さんと相模原木パトのメンバーで、相談室スタッフのGさんも聞きに来てくれました。あと、相模原在住で元横浜市の生活保護担当の課長で、港北パトのメンバーのSさんも来てくれた。
比較的良く聞いてくれていたけれど、爆睡していた人が数名。終わった後から、担当課長があいさつに来てくれて、「ぐいぐい引き込まれました。よく聞いていましたし、いい経験になったみたいです」と言っていたので、まあ及第点でしょう。
一人の先生ですが、質問もたくさん出て、熱く語っていたのが印象的でした。 (オリ)
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■人権・福祉教育研修会「人権について考える~社会的マイノリティー支援」■
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2009年度相模原市専門研修(公開講座)
担当:相模原市立総合学習センター
【講座のねらい】
人権について具体的事例の理解を深めるとともに、人権感覚を磨く。
【日時】2009年12月3日(木) 15:00~17:00
【会場】相模原市総合学習センター 大会議室
【対象】小・中学校各校1名※この講座は市民公開講座です。
【内容】・DVD視聴地球データマップ「ひろがる格差」NHK教育
*講師の高沢が格差の拡大について解説
・講義「人権について考える~社会的マイノリティー支援」
【講師】相模原木曜パトロールの会 藤谷 操氏
【講師】横浜寿支援者交流会 高沢 幸男氏
・質疑応答
↓詳しくは以下のHPを参照してください。
http://www.sagamihara-kng.ed.jp/02kenkyu_kenshu/kyouinkenshu_koukaikouza/kyo
uin_kenshu_siminnkoukaikouza.htm
2009年11月8日日曜日
行ってきます
この人は刑務所を出て、どこで知ったのか分かりませんが、私のところに相談に来た人でした。
在監証明なども持っていたので、比較的スムーズに話しが進んだのですが・・・。
罪名が覚醒剤使用だったので、当然暴力団などとの関係を疑われます。本人はすでに破門になっているので、調べてもいいとの事でした。県警などに紹介の結果、関係者ではないということで、生活保護の申請をすることができました。
それからも、度々相談に来て、様々なトラブルを起したり、巻き込まれながらも、どうにか生活保護で暮らしていました。
それが急に神妙にあいさつにきて、「今までお世話になりました。行ってきます」とのこと。
詳しく話を聞くと、また覚醒剤に手を出してしまって、これから警察に出頭とのこと。
累犯なので、当分は帰って来れないと思うとの事。
かける言葉もないので、「帰って来る時には、必要なら相談に来てね」というのが、精一杯でした。
マスコミでも芸能人の覚醒剤使用が話題になるが、常習性のあるものは本当にやめるのが難しいらしい。
ドラッグに限らず、ギャンブルでも、アルコールでもアディクション(依存症)からの脱却は本当に難しいようだ。
気にして、マメに面接とか声かけをしていたんだけどな。
無力さを感じながらも、他人のことは分からないし、救うこともできない。それでも、一緒に考えることを大事にしながら、人と関わって行きたいと考えさせられた瞬間でした。(オリ)
2009年10月23日金曜日
よみがえり
ポルト湘南・辻堂の入所者にKさんという方がいらっしゃいます。
そのKさん、今はまだ「死んで」いますがもうすぐ「生き返る」ことになりました。
Kさんは70歳を超える年齢にもかかわらず湘南海岸の砂防林で10年近く生活をしながら仕事をされていました。
今年に入り、体調も思わしくなくなりテント生活に終わりを告げて生活保護を受けてポルト辻堂で生活することになりました。
「大体のことは自分でできる」と活動的なKさんが最も気にしていたのが「戸籍が無いこと」でした。
Kさんは故郷を若くして出ることとなり、もう何十年と戻っておらず親戚の方たちとも連絡を取っていませんでした。
ずっと音信普通であった、ということで親戚から「失踪届」を出されていたのです。
行方不明で音信不通、Kさんは戸籍から消され「死んだこと」にされていました。
生活保護を受けることはできたものの、戸籍が無くては何の権利も無い状態。
そこで私たちは「失踪宣告の取消」の手続きを取ることにしました。
裁判所に申立をし、ご本人や親戚の方などの調査を経て、先日めでたく失踪宣告取消の審判を受けました。
その審判も確定し、今日はKさんと市役所に失踪宣告取消の届出をしてきました。
本籍地で戸籍を復旧してもらうのにもう少し。そうすればKさんは「よみがえる」ことになります。
「これで真人間になれる」と冗談めかして言うKさん、「やっと選挙にも行ける」とも話していました。
その時の呼び出しの番号札を記念に取っておくそうです。それだけ喜ばしいことなのでしょうね。
私も肩の荷が下りました。
2009年10月22日木曜日
無料総合相談会
前のブログにはたまに書き込みしていましたが、新ブログには初書き込みです。
私は相談業務担当理事の理事でもありますので、今日は神奈川県委託事業の無料総合相談会のお知らせをしたいと思います。
この事業は無料法律相談会として、2006年度~続けて委託されている事業で、今年で4年度目です。
2009年3月に「ホームレス特措法」に基づく神奈川県の実施計画が改定されたことを受け、単に法律相談だけでなく、生活相談(特に生活保護などの相談)も必要な相談と位置付けられました。
また、今後の予定としては看護師などの協力を得て、血圧測定などの健康相談も行っていく予定です。
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具体的な日程としては以下の通りです。
①2009年10月25日(日)PM2時~5時…茅ヶ崎カトリック教会
②2009年11月29日(日)PM2時~5時…小田原カトリック教会
③2010年1月31日(日)PM2時~5時…平塚カトリック教会
④2010年2月7日(日)PM2時~5時…日本キリスト教団・翠ヶ丘教会(相模原)
⑤2010年3月22日(月・休)PM2時~5時…藤沢カトリック教会
どんなことを相談できるの?
1)借金、クレジット、サラ金、多重債務などのことで困っている
2)生活保護を受けたい。
3)体の調子が悪いので、医者にかかりたい。
4)住民票や戸籍についてき聞きたい。
5)アパート生活のために保証人がいない。どうしたらよいか。
6)給与が未払いになっていて困っている。
7)荷物を撤去されて困っている。
8)暴行・襲撃を受けて困っている。
9)アパートや寮に移りたい。
*その他、気になることがあれば、どんなことでも一人で悩まず、遠慮せず相談してください。
主催:NPO法人 湘南ライフサポート・きずな
協力:神奈川県青年司法書士協議会
寿支援者交流会
問い合せ先:0466-28-8814(きずな相談室)
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身近に生活に困った方いれば、是非ご活用下さい。
2009年10月21日水曜日
2009年 近況報告
会員、賛助会員、サポーターの皆さま
近況報告を早く書かなければと思いつつ、日常の雑事に追われてついにこんな時期になってしまいました。申し訳ありませんでした。この一年の報告も含め、各事業の近況をお知らせいたします。
昨年秋のいわゆるリーマンショック以来、世界の経済状況はすでにご存知の通りですが、私たちのこの活動を通しても、このような経済的な状況が社会の弱い部分に大きな影響を与えていることを実感しています。昨年末より私たちのもとに寄せられる相談の中身や質が大きく変わってきました。昨年中ごろまでは、比較的長い期間野宿生活を送ってこられた方や、さまざまな個人的な理由で生活に困窮し、それまでの生活を続けられなくなって来られた方々からの相談が比較的多くを占めていたのですが、昨年末以来、この経済状況で職を失ってしまい、新たな職のめどもつかず住まいも失ってしまった方々からの相談が急増しました。それとともに、これまで50~60代が多かった相談者も、若い人では20代前半、これまでまれだった30~40代の方はめずらしくなくなりました。また、外国人からの相談件数も増えつつある状況です。
そのような、これまでに無かった層の相談が増えた上に、これまでの層が減ったわけでもありません。そのためわたしたちの活動はほぼフル回転の状況で、働いてもらっている相談員をはじめとしたスタッフの方々にも、ゆっくり休んでもらったり、個別のケースにじっくり時間をかけて取り組んでもらえるような余裕があまりなくなってしまっているのが現状です。施設のほうも常にほぼ満杯の状況で、修道院や他のグループの施設などを利用させてもらいながら、何とかやりくりしている状況が続いています。
神奈川県との協働事業である「きずな相談室及びシェルター」は4年目を迎えましたが、年々利用者数が増大しています。シェルターも開設以来、1日たりとも空になった日は無く、連続利用記録を更新し続けています。今では、緊急シェルターであるにもかかわらず、入所待ちが必要というとんでもない状況になっています。それだけ多くの方々に利用していただいているということは、退所後のフォローアップの件数も増加するということで、そちらのほうも優先順位をつけて何とかこなしている状態です。県からの負担金をいただいてモデル事業として行われているこの活動も、5年経過する来年度で一応終了することになります。しかし、これまでの実績が示すように、今の社会状況の中でこの事業はとても重要な役割を担っているのではないかと思っています。そのために、来年度で終了する負担金事業が終わった後も、何らかの形で継続させていきたいと思っています。県財政も逼迫し新規予算獲得もかなり難しい状況の中で、そのための財源を確保するために、今年度から積極的に事業継続に向けた運動を行っていきたいと考えています。
ポルト湘南・茅ヶ崎は創立7年を迎えました。無事7年を過ごせたことは、関わってくださった多くの方々のおかげだと感謝しております。居心地がいいためか(?)長期の方が多かったのですが、ここ一年でかなりの動きがあり、設立当初からいらした方の最後の一人も無事にアパートに転居しました。そのため、ひとり暮らしは難しい数名の方を残し、ほとんどの方々がここ1年で来られた方々になりました。また、ここ一年はほぼ満杯で、誰かが出てもすぐ新たな方が入ってくるような状態です。そのため、中の人間関係も変わり雰囲気も変化しました。もちろん大勢の他人が共同生活をする場所ですので、それなりの問題やぶつかり合いなどもあります。それでも施設長の人柄でしょうか、やはりポルト湘南・茅ヶ崎は独特の雰囲気が有るような気がします。
昨年開設したポルト湘南・辻堂は茅ヶ崎に比べると半分以下の規模の施設です。ある程度以上の年齢の方々が、茅ヶ崎よりも少しゆとりを持って住めるよう、全室6畳の完全個室の施設です。老人施設でも終の棲家でも有りませんので、機会があれば利用者がアパートでの居宅生活に移行できるよう支援しますが、独居に不安を抱える方には無理強いせず、ここを自分の家と思って暮らしていただければと思っています。やはり共同生活ではいろいろな問題やぶつかり合いは避けられませんが、ここでは入居者のミーティングを定期的に行って、出来るだけお互いが理解しあえるよう努めています。入居者の孫くらいの年代の施設長ですが、立派に役割を果たしてくれています。
今年に入ってポルトのような無料低額宿泊施設が、「貧困ビジネス」の温床であるかのようにマスコミでたびたび取り上げられています。確かに運営の仕方しだいでは生活困窮という立場の人々を利用してそこそこの利益を上げることも出来ます。しかし、公的なセーフティネットが充分でない現状では、無料低額宿泊所やそれ以上問題の多い無届の施設なども利用せざるを得ないのも現実です。そのような中で、経営も成り立たせながら、より質の良い心のこもった施設運営を心がけて行きたいと思っています。
この活動を始めて、これまでに数百名の方々と関わって来ました。施設から出て行った多くの方々のすべてを把握しているわけではありませんが、もう数年も前に施設を出て行った方々が今でも遊びに来てくれたり、何かあるたびに家族のように相談や頼みごとをしに来てくれるのを見ると、私たちがこの活動を始めたときの理念、「命を支え、きずなをつくる」ことが少しはかたちになれたかなと思っています。
これで今年の報告を終わらせていただきます。どうぞこれからも湘南ライフサポート・きずなとともに歩んでいってくださいますようにお願いいたします。
2009年8月16日
特定非営利活動法人 湘南ライフサポート・きずな
理事長 川辺克郎