ポルト湘南・辻堂の施設長をしています吉村です。
ポルト湘南・辻堂の入所者にKさんという方がいらっしゃいます。
そのKさん、今はまだ「死んで」いますがもうすぐ「生き返る」ことになりました。
Kさんは70歳を超える年齢にもかかわらず湘南海岸の砂防林で10年近く生活をしながら仕事をされていました。
今年に入り、体調も思わしくなくなりテント生活に終わりを告げて生活保護を受けてポルト辻堂で生活することになりました。
「大体のことは自分でできる」と活動的なKさんが最も気にしていたのが「戸籍が無いこと」でした。
Kさんは故郷を若くして出ることとなり、もう何十年と戻っておらず親戚の方たちとも連絡を取っていませんでした。
ずっと音信普通であった、ということで親戚から「失踪届」を出されていたのです。
行方不明で音信不通、Kさんは戸籍から消され「死んだこと」にされていました。
生活保護を受けることはできたものの、戸籍が無くては何の権利も無い状態。
そこで私たちは「失踪宣告の取消」の手続きを取ることにしました。
裁判所に申立をし、ご本人や親戚の方などの調査を経て、先日めでたく失踪宣告取消の審判を受けました。
その審判も確定し、今日はKさんと市役所に失踪宣告取消の届出をしてきました。
本籍地で戸籍を復旧してもらうのにもう少し。そうすればKさんは「よみがえる」ことになります。
「これで真人間になれる」と冗談めかして言うKさん、「やっと選挙にも行ける」とも話していました。
その時の呼び出しの番号札を記念に取っておくそうです。それだけ喜ばしいことなのでしょうね。
私も肩の荷が下りました。
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