2014年9月3日水曜日

生活困窮者自立支援法に想う

生活困窮者自立支援法。何がどう変わるのか、イマイチ解ってませんでしたが、ホームレス自立支援法に基づくウチのシェルターは、来年度から予算がおりないことになったとか。そこでハッと気がついたことを書きます。
ウチのように、「ホームレス」を敢えて拡大解釈して、とにかく「安定した居を失った方」をできる限り受け入れてきた施設は、今後は独立採算になるということ。当然、利用料はアップしてしまいます。
これまでは県の事業だったので、利用者の管轄自治体を問わず受け入れができました。でも、生活困窮者自立支援法にのっとると、ウチに「枠」を確保した自治体以外からの依頼を受けにくくなります。空き部屋があっても、「枠」確保していない自治体からの依頼は、断らざるを得なくなってしまいます。
独立採算で、二種施設としてやるか。生活困窮者自立支援法のもとで、特定の自治体からの依頼だけを受ける施設になるか。あるいは、両者を混合させるか。いずれも、現実的には厳しい道です。
ここから見えてくるのは、「居を失った状態」と「生活困窮」とが、全く別次元のカテゴリーであるのに、あたかも交換可能なように扱われてしまっていることの歪み。
さらなる問題は、生活困窮者自立支援法では、生活困窮の要因がかなりステレオタイプに分類され、それが制度に落とされてしまっていること。家計相談支援とか、学習支援とか、就労準備とか、一時生活支援とか、別個の専門団体・機関で担うのが前提になっています。それって別々なの?
これは地域福祉の役割分担としては、かなり稚拙。人間の困りごとは、簡単に腑分けできませんから。ここから漏れる方はどうなるの?漏れる方を支援する人材、つぶさに見て訊いて話し合って、専門機関につなぐ役割は、誰が担うの?
最もイヤな感じがしたのは、今まで協力しあってやってきた生活困窮者支援機関が、職務を変に上から細分化されて、「依託料」をエサに、「支援」という「資源」の奪い合いのフィールドに立たされたような気分になってしまったこと。
「本当に困った人」は生活保護を使えばよい。その一歩手前の人は、生活困窮者自立支援法を使えばよい。その峻別は恣意的なうえ、支援機関の職務を「上から」寸断する生活困窮者自立支援法。そんな法に対し、少なくとも私は、柔らかでジャジーな切り抜けをして行きたいです。負けねえ。(K)

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